ECデザインの参考にしたい考え方が見える5つのショップ

こんにちは。株式会社インクワイアリーの濱洲です。
様々なECサイトを見る中で、商品が魅力的に見え、「買いたい」と思うデザインはどのように組み立てられているのかを考えるようになりました。
近頃はAIも発達しており、表現や制作の方法が変化する中で、デザインとは何なのかということを、これまでとは違う視点から捉えるようになってきました。
今回は、こうした考えの中で、ECデザインにおける伝え方や構成についてまとめてみました。
ECデザインについて
ECデザインは、見た目の良し悪しだけで語れるものではありません。
「どんな順番で情報を見せ、何を先に理解してもらうか。」その積み重ねによって、ECの使いやすさや印象は大きく変わります。
同じ商品を扱っていても、伝え方や構成が少し違うだけで、「分かりやすい」と感じるECもあれば、「少し見づらい」と感じてしまうECもあります。
今回は、業種や価格帯の異なるECショップの中から、流行のデザインに寄せるのではなく、それぞれの商材や考え方に合わせて設計されている事例をいくつか紹介します。
どれが正解というわけではありませんが、ECを考えるうえで「なぜこの形になっているのか」を読み取る視点として、参考になるポイントが多く含まれています。
1.Mr.CHEESECAKE

素材と製法に向き合い、チーズケーキの可能性を追求するブランド。
「デザインが美しい」だけでなく、初めて訪れたユーザーでも迷わず購入できる体験設計が徹底されています。
ECでは、最初に「何を扱うブランドなのか」「どんな商品が並んでいるのか」が直感的に伝わらないと、
購入検討以前に離脱が起こりがちです。
Mr. CHEESECAKEのトップページは、ロゴと商品写真を中心としたシンプルな構成で、ブランドの輪郭を一瞬で理解できるよう設計されています。
また、商品写真のトーンによってジャンルが自然に整理されており、説明を読み込まなくても購入までの全体像を視覚的に把握できる点が特徴です。
ブランドの世界観をしっかりと打ち出しながらも、購入までの流れを妨げないよう整理されている点が、ECデザインとして非常に参考になります。
green bean to bar CHOCOLATE

日本を代表するBean to Bar CHOCOLATEブランド。
チョコレートそのものの味わいに加え、
・カカオの産地
・生産背景
・フェアトレードや環境への配慮
といった要素が、ECサイト全体の構成の中で自然に伝わるよう設計されています。
ストーリー性のある情報量はしっかりとありますが、商品ページ自体はシンプルで、購入までの導線が複雑にならない点が印象的です。
背景や思想を語りながらも、あくまで主役は「商品」であり、選びやすさや分かりやすさが損なわれていません。
ブランドの価値観を丁寧に伝えつつ、ECとしての役割である「買いやすさ」を維持している点は、ストーリーと実用性を両立した好例といえます。
Yama Beer

日本のクラフトビールを手がけるマイクロブルワリー系のブランド。
大量生産や定番商品を前提としたECとは異なり、「少量生産」「商品の入れ替わり」を前提に設計されています。
商品数は多くありませんが、その分、ひとつひとつのビールが今しか出会えない商品として丁寧に扱われています。
一覧ページはシンプルな構成で、比較や検索を促すというより、「今ある中から選ぶ」体験に自然と導かれます。
また商品ページでは、味の特徴やスタイルが端的に整理されており、クラフトビールに詳しくないユーザーでもイメージしやすい点が特徴です。
在庫が常に揃っていることを前提とせず、出会いのタイミングそのものを価値に変えているEC設計といえます。
KARIOMONS COFFEE ROASTER

長崎を拠点に、生産背景と品質に向き合い続けるスペシャルティコーヒーロースター。
商品を並べて販売するのではなく、その背景にある農園やストーリーを理解してもらうことから購入体験が始まります。
農園の写真や空気感を軸にしながら、テキスト情報を読み進められる構成になっており、視覚的な印象と情報理解を同時に深められる設計です。
一般的なECでは、価格やスペックが購入判断の軸になりがちですが、KARIOMONSでは「なぜこの豆なのか」を理解してもらうことを重視しています。
生産者や農園の背景を丁寧に伝える構成からは、コーヒー豆そのものだけでなく、生産者に対するリスペクトや姿勢が強く感じられます。
価格や数値で比較されるECではなく、納得と共感を起点とした購入体験を設計している点が特徴です。
HIGHTIDE

福岡を拠点に、文具や生活雑貨を展開するライフスタイルブランド。
商品点数が多いにもかかわらず、カテゴリ分けや導線が非常に分かりやすく、何を扱っているブランドなのかがすぐに把握できる構成です。
各商品ページでは、サイズ感・用途・素材といった情報が整理されており、日常使いのアイテムを選ぶうえで迷いが生まれにくい設計になっています。
装飾的な演出に頼らず、必要な情報をきちんと伝えることで、安心して購入できる環境が整えられています。
落ち着いたトーンで構成されており、日用品を扱うECにおいて重要な分かりやすさと信頼感を丁寧に積み重ねている点が、非常に参考になります。
今回の記事のまとめ
今回紹介したECショップに共通しているのは、流行のデザインをなぞっているのではなく、商品やブランドにとって自然な形を選んでいるという点です。
迷わせずに買わせるEC、背景を理解してもらうことから始まるEC、一期一会の出会いを価値に変えるEC、安心して日用品を選べるEC。
どれが正解ということではなく、商材や目的によって、最適なECの形は変わるということがこれらの事例から見えてきます。
私たちは、見た目の良し悪しだけで判断するのではなく、「何を伝えたいのか」「誰に届けたいのか」を起点に、そのブランドに合ったECのあり方を考えていきたいと考えています。
株式会社インクワイアリーでは、ECモールの商品ページ制作を多数手がけてきました。
商品LP設計からデザイン、改善提案まで、トータルでサポートしています。
もっと売れる商品ページを作りたいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。

濱洲 裕馬
芸術学部で映像を専攻後、福岡のスペシャルティコーヒーショップにてバリスタ業務を行いながら、映像制作・デザイン・営業・EC運用などを担当。
個人では映像を用いたアート活動も行っている。



