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EC運用

ECサイトを開業したい!手順や基礎知識を解説

こんにちは。
株式会社インクワイアリー代表、後藤です。
2024年現在、EC業界はユーザーも出店者も急増しています。特に2020年のコロナ禍では、新規出店が増加し、補助金対象となったことからちょっとしたバブルが生まれました。 現在人々がリアルに戻り、今後EC業界はどのような推移になるかは動向を注目していきたいです。
そんな中でも新しくECサイトを立ち上げ、事業を始めたいと考えている方も多いでしょう。
今回は、EC事業開業に向けた準備や基本的な知識について解説します。

売る商品の選定

商品が決まっていなければ事業はスタートできません。
本記事では、いわゆる「転売」などの方法は取り上げません。
一般的なケースは以下の通りです。

・BtoBの卸業から、新たにBtoC向けのEC事業を始めたい。
・自社オリジナルの製品やサービスを展開し、D2CモデルでEC事業を立ち上げたい。
・商品未定でEC事業をスタートさせ、仕入れやOEM販売から手がけたい。

販売する場所の選択

ECサイトには「モールEC」と「自社EC」の2つのタイプがあります。

モールEC

モールECは大きなショップの中で、複数のショップが集まっているECサイトです。
ショッピングモールやデパートのようなイメージです。

Amazon

2021年12月時点のユーザー数は約4,729万人
2015年6月時点での出店数は約178,000店舗
幅広い商品を取り扱う巨大なマーケットプレイスサイトです。法人から個人まで、幅広い出品者が参入可能です。
商品ページはシンプルな白背景の写真と簡単な説明が特徴で、ユーザーの購買体験は自動販売機のようなイメージです。
Amazonの出店はこちら

楽天市場

2021年12月時点のユーザー数は約5,104万人
2023年6月時点での出店数は約57,000店舗
店舗が特色・オリジナル性を出して展開する大型マーケットサイトです。店舗ごとにデザインを自由に制作し、差別化を図ることが可能です。購入体験は、賑やかな街の商店街がイメージです。
楽天市場の出店はこちら

Yahoo!ショッピング

2021年12月時点のユーザー数は約2,288万人
2021年12月時点での出店数は約1200,000店舗
多彩な商品を扱う大規模マーケットです。楽天市場と同様、店舗デザインの自由度を高く制作ができます。2013年には出店料と月額利用料の無料化を実施し、低いハードルでの出店が可能になりました。購買体験は楽天市場に似ていますが、近年はPayPayの導入やLINEとの経営統合でモールとして大きく変化していっています。
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※データ参考、ニールセンデジタル株式会社の調査結果

モールECのメリット

モールECは大きなショップの中で、複数のショップが集まっているECサイトです。
ショッピングモールやデパートのようなイメージです。

1. 集客力

最大の利点は、Amazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングのようなプラットフォームが持つ多くのユーザー数です。〇〇経済圏というぐらいでポイントを重視した買い物をユーザーは意識しています。
多くのユーザーがいるからこそ、初期段階での集客で加速する事が可能です。

2. 信頼性の向上

オンラインでの詐欺やセキュリティリスクへの懸念が高まる中、大手が提供しているプラットフォームなので、顧客は安心して買い物ができます。

モールECのデメリット

1. 様々な費用

出店料や手数料、その他オプション&外部サービスなど、モール型は多くのランニングコストがかかります。
また、ショップ独自のポイントの付与、クーポン配布などで利益がかなり厳しいケースもあります。

2. 競合との価格競争

型番商品であれば、価格やポイントの激しい競争があります。
また、オリジナル商材でも既に市場がモール内で広がっていれば、競合ショップとのレビューや広告などこちらも大きい競争があります。

3. ブランディングの難しさ

こちらはAmazonで多いと思いますが、顧客は購入した商品をプラットフォーム名で認識することが多く、ショップ自体のブランド構築が非常に難しい現状があります。

自社EC

自社ECとは個人や企業が独自ドメインを使用して運営するオンラインショップのことを指します。最近ではDtoCとも言われており、自社ECサイトを立ち上げることで、ブランドの認知度向上、顧客データの収集、そして顧客との直接的な関係構築が可能になります。技術的な障壁やECシステムの扱い具合も昔に比べるとやさしくなり、中小企業や個人でも比較的簡単に自社ECサイトを開設できるようになっています。

自社ECのメリット

1. ブランディングの自由度

自社ブランド力を前面に出し、独自のストアデザインやストーリー説明、顧客体験を作り出すことができます。

2. 顧客情報の収集

顧客と直接やり取りすることで、貴重な顧客データを収集し、将来のマーケティング戦略や製品開発に活かせます。

3. 費用や利益の強化

集客が難しいので長期的な戦略が必要ですが、手数料や出店料などの追加コストがないので総合的な収益性を見込むことができます。

おすすめ自社ECサービス

Shopify

ここ数年「自社ECを何で構築するか?」と会話すると真っ先に出てくるのが、このカナダのプラットフォームShopifyです。
テンプレートやテーマを使った構築から、完全オリジナルサイト・ブランドサイトも構築が可能です。
Shopifyペイメントで基本的な決済も網羅。アプリを追加次第では多くの拡張ができ独自の自社ECサイトが構築できます。
Shopifyの出店はこちら

BASE

誰でも簡単にECサイトが作れる。まさにそんなイメージを分かりやすく実現したシステムです。
昔は「無料」や「最短」といった事がサービスポイントとして目立ちましたが、近年はプランのブラッシュアップで、個人・法人問わず他社に負けない範囲までサービスを広げています。
BASEの出店はこちら

ecforce

国内のECカートシステムサービスです。国内も様々なECサイトサービスがありますが、ecforceは特色が違く、ブランド力を意識したり、商材によってはD2C戦略がぴったりと合うシステムです。
売上・利益に関わる数値管理が充実しており、LP(ランディングページ)も管理ができ単品通販・リピート通販向けにもおすすめのシステムです。
ecforceの出店はこちら

結局モール型・自社型どちらで構築すれば良い?

目標市場やターゲット

モールEC

すでに楽天やYahoo!・LINEの経済圏のユーザーが多数います。
商材をスピード感を持って素早くEC事業を展開できます。

自社EC

特定のニッチ市場や、ブランド力を最大限に高めて顧客を着実にターゲットにできます。
各SNSを使って長期的な事業戦略でEC事業を展開ができます。

運営コストと収益性

モールEC

初期の集客力は高いものの、長期にわたって手数料・出店料がかかります。
また、キャンペーンへの参加の負担、オプションサービスでの拡張など自社よりはコストはかかってきます。

自社EC

最初のサイトの立ち上げの初期投資や運営コストはかかるものの、中長期的には手数料の節約や顧客データの活用によるマーケティング効率の向上が見込めます。
キャンペーンも基本は独自開催なので、モールに比べると大きくコストを抑えることができます。

ブランディングと顧客関係

モールEC

各モールのプラットフォームのもとでの販売となり、独自ブランドの認知度向上がかなり難しい現状です。
例えば楽天市場のスマートフォントップページのテンプレート化など、モールは毎年様々なルール化・整備を行なっており、そのルールや仕様に全て合わせなければなりません。

自社EC

ブランディング面では自社ECの最大のメリットです。全ての顧客体験を通じてブランドイメージを自由に構築し、顧客との深い関係を築くことが可能です。
そこではモールではなかなかできない「濃いショップのファン」を作っていく事が可能です。

今回の記事のまとめ

「モール型」「自社EC型」のどちらを選択するかは、事業の規模、商材、ブランドの目標、市場戦略、コスト面など多岐にわたる要素に基づいて判断します。それぞれのメリット・デメリットを深く理解し、自社の事業に最適な選択を行うことが重要です。
弊社では、楽天市場・Yahoo!ショッピングなどのモール型ECのWEB制作から集客支援、広告、年間運用などを行っております。
また、ShopifyやBASEを使用したブランド構築から自社ECサイトの構築・運営にも対応しています。ご相談・ご依頼はいつでもお待ちしております。

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後藤 淳

2010年からWeb制作会社・EC事業会社、東京・福岡計5社に従事。これまでにWebデザイナー・コーダー・ディレクターとして幅広い業種を経験。EC事業会社ではWebデザイナー以外にショップ運営、販促企画立案等を担当。2015年にWeb制作・デザイン事務所「INQUIRY」を立ち上げ独立。2020年11月に法人化、株式会社インクワイアリーを設立、代表取締役に就任。